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歯牙移植・再植

歯をできるだけ残す治療として

当院では、「自分の歯を最大限に残す」という基本方針のもと、安易に歯を抜いてインプラントなどの人工物を入れる選択肢は早々にご提案しません。
自分の歯を使える状態であれば、なるべく使ったほうがいいという考えで治療を行っています。
歯牙移植・再植とは、外傷や事故などで抜けてしまった歯や、治療をしても上手くいかない歯を一度わざと抜いて、再度元の場所に戻す治療法です。
自分の歯をリサイクルするようなイメージで、少しでも可能性がある場合には再植や移植にトライしています。

当院の歯牙移植・再植の特徴

・保険診療で対応が出来ます
当院での歯牙移植・再植はすべて保険診療の範囲内で行われています。
インプラント治療を想像される方もいますが、自費治療ではありませんので高額な治療費がかかるわけではありません。

・専門性の高い治療
日本口腔外科学会認定医が常勤しているため、大学病院で対応できるような専門性が必要な治療が当院で対応可能です。

・患者様ファーストの姿勢
「患者様の歯を何とかして残そう」という一心で再植を行っています。
時間のかかる手術となりますが、「もう抜歯しかないですね」と言って抜歯するより、患者様の大切な歯を残すために持てる技術を尽くしています。

歯牙移植・再植が対応出来るケース

ケース1)事故で歯が抜けたケース

ケガや事故などで歯が抜けかかったり、あるいは完全に抜けてしまっても、歯を元の位置に戻すと、再び歯をくっつけることができます。
しかし、歯根膜が残っていないといけませんので、歯が抜けて汚れた状態になっても、ゴシゴシ拭いたり、お水で洗ったりしてはいけません。
また、歯を乾燥させないようにして、保存液があればその中に入れます。保存液がない場合には、牛乳があればその中に入れることがあります。
牛乳もない場合には口の中に入れたままご来院ください。

ケース2)歯の根の病巣がひどくて、通常の治療では治らないケース
「意図的再植」といって、歯の根の部分に大きな病巣ができていたり、通常の根の治療では治らないような時に、
一度わざと歯を抜いて細菌感染した箇所などを取り除いて、病巣をきれいにしてから元の場所に戻す方法があります。

治療例のご紹介

治療前

治療後

治療内容 患者様ご自身の歯(主に親知らずなど)を抜歯し、歯を喪失した部位または保存不可能な歯の抜歯後の部位に移植する外科手術です。移植歯の固定、必要に応じた根管治療、補綴処置を行います。
治療の必要性・目的 歯の喪失部位にご自身の歯を移植することで、天然歯に近い機能や咬合の回復を図ることを目的とします。
治療期間 1日(移植手術自体は1日で行います。その後、固定期間・根管治療・補綴処置のため、数か月にわたる通院が必要となる場合があります。)
主なリスク・副作用 ・移植歯が生着しない(脱落・吸収される)場合があります。
・術後の腫れ、痛み、出血が生じることがあります。
・移植歯の歯根吸収(置換性吸収・炎症性吸収)が進行し、将来的に歯を喪失する可能性があります。
・移植後は根管治療が必要になります。
・移植先の骨量や歯の形態によっては、適応とならない場合があります。
・術後感染を起こす場合があります。
・隣接歯や対合歯との咬み合わせの調整が必要になることがあります。
費用 保険診療の範囲内で行います。費用は処置内容により異なります。

歯牙移植・再植のメリット・デメリット

▼メリット
・自然な歯を活かせる
人工歯に比べて自然な見た目と噛み心地が得られ、健康な歯を削る必要もありません。
生理的な動きや咀嚼機能が維持されるため、違和感が少なく、適応症例であればフィット感が期待できます。

・生体親和性が高い
自分の歯をそのまま利用するため、体へのなじみが良く、異物反応や拒絶反応が起きにくいのが特徴です。
天然歯由来の歯根膜が残ることで、歯ぐきや骨との調和が保たれやすく、長期間の機能維持にもつながります。

▼デメリット
・成功率に個人差がある
成功率は患者様の年齢や口腔内の環境、移植歯の状態によって大きく異なります。
一般的には若い方ほど成功率が高い傾向にありますが、歯や歯槽骨の状態が不適切な場合は定着しにくいこともあります。

・長期的な安定性に課題
移植や再植を行った歯は、必ずしも永続的に機能するとは限りません。
経過年数とともに歯根吸収や歯周組織のトラブルが生じるリスクがあり、部位によっては再治療が必要となることもあります。

・定期的なフォローが必要
治療後は歯の状態や周囲組織を継続的に観察することが求められます。
しっかりとしたケアを怠ると、せっかく移植した歯を失うリスクも高まるため、定期チェックとメンテナンスが重要です。

注意点

自分の歯を使う為「抜けた歯が元通りになるの?」と思われる方が大半かと思います。
しかし、すべてのケースでうまくいくとは限りません。成功率は100%ではなく、すべての症例に適用できるわけではありません。
この治療で大切なのは、歯の根の部分にある歯根膜という組織が残っていること、損傷していないこと、汚染されていないことが必要です。
しかし、そうした点をクリアできれば、元々自分の歯ですから義歯やインプラントと違って、生体に対して優しい方法で、条件が合えばとても有効な治療法です。